2005年2月の情報

2005年2月
●● 相続税の税務調査における留意点 ●●

 相続税の申告書を提出した後、半年から2年くらいすると税務署から税務調査を行いたい旨の連絡があります。
 その場合、特に留意しておかなければならない事項をまとめてみました。

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Q:相続税の調査を受ける場合、調査官からどのような事を質問されるのですか?
また、そのねらいは、何ですか?

A:調査当日に、調査官は世間話から始まって、以下の項目について、質問をしていきす。

(1)被相続人の職歴等
・被相続人の収入と財産はどのくらいか。
・生活費はどこから捻出しているのか。
・退職金はあるのか。
(2)相続人の職歴等、実家の状況
・相続人の財産が本人のもので、裏付けがあるのか。

(3)被相続人の趣味嗜好等
・ゴルフ会員権、書画骨董、貴金属などがないかどうか。
・習性や交友関係は、どうなっているのか。

(4)死亡時の状況
・死亡時前後のお金の使い方はどうか。(特に預金の引き出し)
・意思、行為能力は、いつまであったか。
・医療費の支払いは、どうなっているのか。

(5)遺言書
・有無を確認して、申告されていない財産がないかどうか。

(6)財産の管理
・誰が、財産の管理をしているのか。
・名義預金、名義株式などがないかどうか。

(7)手帳、日記、年賀状、香典帳、電話帳等
・取引銀行、証券会社等の取引先はどこか。

(8)(貸)金庫
・権利書、通帳、有価証券その他重要書類の現物の確認。
・印鑑の印影の確認。

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Q:相続税の調査が行われた後、修正申告する場合どのような罰則の税金がかかるのでしょうか?また、当初申告で申告した場合とでは、どのくらい金額が変わるのでしょうか?

A:修正申告する場合は、本税のほかに次のような罰則の税金(附帯税)が課せられます。

●附帯税の意義と税率
<過少申告加算税>
過少の納税申告がなされ、後に修正申告、または更正がなされ新たに納付すべき税額が生じた場合。
⇒ 追加して納めるべき税金x10% 
  又は、追加して納めるべき税金x15%
<無申告加算税>
申告すべき義務のある者が正当な理由もなく法定申告期限内に申告をしなかった場合、または決定があった場合。
⇒ 納めるべき税金x15%

<重加算税>
税額計算の基になる事実を隠したり、仮装したりして申告書を提出した場合。
⇒ 過少申告加算税に換えて課せられるとき
 追加して納めるべき税金x35%
⇒ 無申告加算税に換えて課せられるとき
 納めるべき税金x40%

<延滞税>
期限後申告書、若しくは修正申告書を提出し、または更正、若しくは決定を受けた場合。
⇒ 公定歩合+年4%(年7.3%が限度)
  年14.6%(2ヶ月後より)

【設例】
・各法定相続人(配偶者あり)の取得金額は3億円超である(税率50%)。
・1億円の現金預金を申告しようかどうか迷っている。

<1億円を当初から申告した場合の税負担>
1億円x50%x(1-50%)
 [⇒1億円x税率x配偶者税額軽減]
=1億円x0.25
=2,500万円

<1億円を申告せず調査で分かった場合の税負担>
1億円x50%x(1+35%+4.1%)
 [⇒1億円x税率x(本税+重加算税+延滞税(公定歩合が0.1%の場合))]
=1億円x50%x139.1%
=1億円x0.6955
=6,955万円
※この場合、配偶者の税額軽減は利用できません。

<差 額>
6,955万円x2,500万円=4,455万円

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Q:相続税の調査により修正申告になった実例として、どのようなものがあるのでしょうか?

A:よくあるケースとしては、次のようなものがあります。

(1)相続人は、相続が開始する数年前から被相続人名義の預金を解約して現金化し、自宅の押入れや金庫に分散して隠匿し、これを申告から除外していたケース。

(2)相続人は、被相続人が保有していた多額の割引金融債券について、無記名かつ現物であることから容易に発見されないと考え、相続人の金庫に隠匿し、申告から除外していたケース。

(3)相続人は、被相続人に帰属する多額の郵便貯金があったにもかかわらず、郵便貯金は税務調査でも容易に発見されないとの噂を耳にし、架空名義及び家族名義であるものを申告から除外していたケース。

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■ ニュースの企画・編集
友弘正人(公認会計士・税理士・CFP・行政書士)
著書:「新しい相続対策と納税のしかた」(株式会社トータル財務プラン)
   「企業組織再編の実務Q&A」(税務研究会出版局) 他多数
e-mail:tomohiro@bz3.hi-ho.ne.jp

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