2005年1月の情報

2005年1月
 製造業編 No.7

 色々と並べたが、「日本経済再生の鍵を握る」のは経済の中心「中小の製造業」と言っても過言では無いと思う。以下」それについて述べる。

日本の企業の9割は従業員30人未満の中小企業で有り、その内の7割が製造業で有るので本編では主に中小企業(家族経営の零細企業でもイノベーションが有れば対象に該当する)の工場についての今後の生き残りの為の手法を説明する。

但し、トヨタの「看板方式」(ジャスト・イン・タイム)は特別で有る。

簡単に説明するとトヨタでは1日の生産に必要な部品を前日に必要数だけ受け入れる。すなわち在庫0で有る。その為に完全な生産ラインを構築する為にストップウォッチで平均値を取る等を長年積み重ねて完成されたシステムで、現在では工場以外にシステムを導入している企業(大企業だが)も有るし、海外でも注目されているが成功する迄は期間が掛かるであろう。

現在迄の各企業の努力(高度成長期〜バブル崩壊)

殆どの企業が時代に合わせて下記の様な順で対応をしてきたと思う。

  1. 5S運動
  2. TQC活動
  3. 生産の合理化、効率化
  4. NCマシン、産業ロボット等の最新設備の導入による無人化
  5. ISOの認定取得

今後の課題

政府が過去に減田政策を導入して今では国内生産だけでは日本国民の米の需要を賄えない。工場も生産拠点を海外にシフトして国内は空洞化して倒産する企業の方が多い。唯一忙しいのがIT関係だけで有るが、携帯電話やデジカメ、ウォークマン等の小さい物は関係業者には仕事は有る。しかし最近の液晶の大型化に対応出来る企業は少ない。理由は大型の機械は海外に移管して国内には小型の機械しか残っていないからで有る。また製品のサイクルも短期間なので設備の導入にはリスクが大きい。

最近のサーズの問題(中国ではその間、別に倉庫を借りて商品を保管していたし、現地スタッフの帰国の延長等相当な被害が有った)やテロ、為替変動を考え国内生産は最低限度残さなければ、米と同じ結果となる。

そこで現在生き延びている企業に頑張って貰う為に、今迄とは全く違う考え方を以下に述べるので参考にして貰いたい。但し、理解するのと実行するのには、かなりの決心が必要で有る。

TOCとは

Theory of Constraintsの略でシステム改善ツールの意味で有り、全ての問題に対し「制約条件の理論」を定義して「思考プロセス」を働かし科学的に問題を解決する手法で有る。

従来の生産管理の理論から新しい会計方法や問題解決の手法へと展開させる生産スケジューリング法で、イスラエルのゴールドラット博士が15年前に考案しアメリカで10年前から導入され生産管理やサプライチェーンマネジメントに多大に貢献し今日日本でも多くの企業が導入し実践している方式で有る。

TOCの原理

企業の最終目標は継続的な利益の追求で有る。これは従来の資本主義経済の企業の原理でも有るが、長期間利益を継続し続けるのは困難な事でTOCを導入する事で可能となる。

TOCの手法

通常の工場では、製造、営業、資材、総務等、各部門に分かれている。そして各部門マネージャーは部分最適化で会社を運営しようとする。その結果社内の各部門でお互いのパフォーマンスの悪さを責め合う会議を行い、問題の解決に至らない事が多い。

TOCは「システム改善のツール」で有り、現場での個別での生産性や品質改善ツールではなく、あくまでも工場全体を一つのシステムと見なしその目的を達成する為の改善手法である。

TOCの定義

  1. 通常工場の経営では生産による利益を重視するが、TOCの場合はスループット(販売による利益)を増やす事を最重要課題とする。
  2. 在庫の削減(TOCの場合設備、機械、材料、仕掛品、未出荷の完成品等を全て在庫と考える)
  3. 作業経費の削減(TOCの場合あまり重要視しない)

スループット(販売による利益)
従来の考えでは工場=生産による利益だが、これはスループットの中の一つで有って極端に言うと合理化の推進による需要を上回る過剰生産→余剰在庫→保管場所の発生→移動→在庫管理→旧モデル化→不要在庫→廃棄処分と繋がり、会計上の損失へとなる。

上記の様な事を防ぐ為には「指標」と「指数」による「完全なシステム管理」が必要である。


ボトルネックの発見(詰まる作業工程の事でビール瓶の上側の細い部分)

例:5工程の製品が有り流れ作業とした場合、各工程別の一日の生産可能数を下記とした場合。
    

  1. 朝から生産してその製品完成品の出来上がる数量は5,000ケ(ボトルネックの数)としかならない。すなわち1日の出荷数は5,000ケとなり残りは仕掛品として残り、以下の問題が発生する。

  2. 仕掛品を移動する手間の発生や保管場所の確保

  3. アイドルタイムの発生による生産性の低下

  4. ボトルネックが有る為に不良品の発見が遅れる

上記を改善する為に生産ラインにボトルネックの存在を見つけ出してTOCでソリューションすれば生産性の向上に繋がる。

その為に「問題解決ツリー」(セグメント分け)を構築して思考プロセスで分析する。各工場によって色々な設備、環境、人材等問題点が有るはずだがそれを解決する事で問題はなくなって行く。但し在庫等現在の会計システムを重視すると一時的に損失になる場合が多いが、時間が立てばそれも解決する。最も重要な事は最後迄やり続ける事で有る。それが我慢出来なければ失敗する。

上記を導入して最初から成功した工場は少ないが「キャッシュ」を残している会社も増えてきているのも事実で有る。

以上、簡単にでは有るが「日本経済再生プログラム」は現段階で一旦終了とさせて頂く。これが少しでも日本経済復興に繋がれば私もペンを持った甲斐があると思う。

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